「スリランカ人が日本に来て働く理由ってなに?」
「スリランカ人を雇用しようと思うから性格や特徴を知りたい」
スリランカ人が日本に来て働く主な理由は、母国より給与水準が高い日本への出稼ぎや、2022年の経済危機の影響です。
すでに在日スリランカ人のコミュニティが形成されており、日本の治安の良さや整った外国人受け入れ制度も来日を後押ししています。
スリランカ人は、気さくでフレンドリーな性格の人が多いと言われています。相手の気持ちを尊重しながらコミュニケーションを取る傾向があるため、職場のルールや周囲との協調を重視する日本企業にも比較的馴染みやすいです。
本記事では、スリランカ人が日本に来る5つの理由を詳しく解説します。性格・特徴や接する際のタブー行為、雇用するメリットも紹介しているので、参考にしてみてください。
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スリランカ人が日本に来る5つの理由

スリランカ人が日本に来て働く主な理由は、以下の5つです。
- スリランカより日本の給料のほうが高いから
- スリランカの経済危機の影響から
- 在日スリランカ人のコミュニティがあり安心して生活できるから
- 日本は治安が良く安全に感じているから
- 日本の外国人受け入れ制度が整っているから
順番に見ていきましょう。
スリランカより日本の給料のほうが高いから
日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によると、スリランカの製造業・作業員における平均月給はおよそ138ドルとされています。為替レートが160円とした場合、日本円に換算すると約2万2,080円程度の水準です。
一方、令和6年分国税庁の調査では、日本の平均給与は478万円で、月額換算では約40万円です。
スリランカと比較すると約20倍の差があり「家族の生活水準を引き上げたい」「母国へ送金したい」といった目的で出稼ぎとして来日するスリランカ人が増える背景となっています。
スリランカの経済危機の影響から
スリランカは2022年に経済危機に直面します。
当時は世界の経済成長率ランキングで第193位となり、南西アジアで唯一マイナス成長を記録するほど厳しい状況でした。長時間の停電や物価高騰、燃料不足など、日常生活に深刻な影響を及ぼす問題が頻発していました。
現在は経済が少しずつ回復傾向にあるものの、依然として国内の雇用状況は不安定です。生活の安定を求めて、海外への就労を選択するスリランカ人は今も増え続けています。
参考:最近のスリランカ経済2024年8月|在スリランカ日本国大使館
在日スリランカ人のコミュニティがあり安心して生活できるから
すでに多くのスリランカ人が日本に在留している点も、日本への渡航先として選ばれる理由のひとつです。
出入国在留管理庁のデータによると、令和7年末時点で日本に在留するスリランカ人は79,128人です。前年と比べて15,656人増加しており、在留者数は年々増加傾向にあります。
在留者数の増加にともない、日本各地でスリランカ人コミュニティが形成され、生活や就労に関する情報を母国出身者から得やすい環境が整っています。
猪口 裕介同郷者とのつながりを築きやすい環境の存在は、日本での生活への安心感につながり、来日を後押しする要因です。
日本は治安が良く安全に感じているから
日本の治安の良さや生活インフラの充実も、スリランカ人が来日を決める理由のひとつです。
スリランカ人の出稼ぎ先には中東諸国もありますが、現地では治安面のリスクや過酷な労働環境が課題になることもあります。
その点、日本は治安が安定しており、医療や交通インフラも整備されています。住居や日用品も入手しやすく、母国への送金や帰省の手続きもスムーズに行える環境です。
家族と離れて働くスリランカ人にとって、安心して暮らせる環境は重要な判断材料になります。
日本の外国人受け入れ制度が整っているから
日本は外国人労働者の受け入れ体制が整っています。
例えば、技能を習得してから母国の技術発展に寄与する国際貢献を目的とした技能実習制度では、外国人が日本で技術を学びながら働けます。
また、人材確保が困難な一部産業分野の人手不足解消を目的とした特定技能制度では、キャリア形成を視野に入れた継続的な働き方が実現可能です。
技能実習制度と特定技能制度の違いについては「【比較表あり】技能実習と特定技能の違いは?移行要件や手順も解説」の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
また日本は、労働基準法や社会保険などの保護制度も整っており、最低賃金や残業代の支払いも法律で定められています。「日本では法律に守られて働ける」という安心感が、スリランカ人の就労を後押ししています。
スリランカ人の性格・特徴


ここでは、スリランカ人の性格・特徴を解説します。
- 気さくでフレンドリー
- サービス精神が旺盛
- 相手の気持ちを考えて行動する
- 上下関係を重視する傾向にある
- 家族を大切にする
仕事で見られる行動パターンや、接する際の注意点も紹介するので、参考にしてみてください。
気さくでフレンドリー
スリランカ人は気さくでフレンドリーな人が多いです。人と会話することを好み、同僚や友人との交流を楽しみます。
職場でも打ち解けた同僚がいれば、集まって談話を楽しんだり、一緒に食事をしたりします。
人との関わりを楽しむスリランカ人にとって、日本語が話せず孤立してしまう状況はストレスに発展しがちです。会話に入り込めず一人でいるスリランカ人を見かけたら、積極的に声をかけてあげましょう。
以下の記事では、日本語が話せない外国人労働者との接し方を解説しています。日本語教育の支援方法も紹介しているので、あわせてご覧ください。


サービス精神が旺盛
スリランカ人は、サービス精神が旺盛な国民性です。
例えば、家に誰かが訪ねてきたとき、自分の知り合いでなくても「お茶を飲みますか?」と声をかけるケースが日常的にあります。職場で疲れている同僚がいると、自然と「お茶でも飲みますか?」と気遣う姿も見られます。
相手をもてなす意識が高く、思いやりを行動で示せる点が特徴です。



接客業や介護職などホスピタリティが求められる職場では、本来の強みを発揮しやすい人材といえます。
相手の気持ちを考えて行動する
スリランカ人は、相手の気持ちを考えてから行動する傾向があります。
会話の中で空気を読み、できるだけ相手が傷つかないような言葉を選ぶ姿勢を持っています。ストレートにダイレクトな表現を使わず、状況や相手の立場に合わせて言葉を選ぶ点は、日本人と似通った感覚です。
ただし、言いたいことを言わずに我慢してしまう場面もあるため、本人の本音を引き出すような環境づくりも大切です。定期的な面談や個別の対話の機会を設けると、安心して気持ちを伝えてもらえます。
上下関係を重視する傾向にある
スリランカ人は、年齢や地位に基づく上下関係を重視する人が多い傾向です。
家庭では祖父や祖母を尊敬し、目上の人を敬う習慣の中で育ってきた背景があります。会社でも自然に上司を敬い、礼儀正しく接することができるため、日本企業の組織文化との相性も良いです。
家族を大切にする
スリランカ人は、家族を大切にする方が多いです。
スリランカでは、結婚後、夫と妻の両親が一緒に暮らすなど、大家族で生活するのが一般的で、お互い支え合いながら暮らしています。
目上の方を敬う文化から、祖父母や両親の看病や介護を重視する方も少なくありません。
こういった背景から、スリランカ人は仕事よりも家族との時間や行事を大切にする方もいます。
職場では、外国人との価値観の違いを理解すると、お互いに働きやすくなります。以下の記事では、日本人と外国人の価値観の違いや起こりうるトラブルの対処法を紹介しているので、参考にしてみてください。


スリランカ人と接する際の注意点・タブー


スリランカ人と良好な関係を築くためには、文化や宗教の違いを理解しておくことが大切です。
ここでは、スリランカ人と接する際に特に注意したい2つのポイントを紹介します。
- 食文化や宗教上の習慣を否定しない
- 時間感覚や文化の違いを一方的に批判しない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
食文化や宗教上の習慣を否定しない
スリランカ人と接する際は、食文化や宗教上の習慣を否定しないことが大切です。
スリランカでは、仏教徒が国民の多数を占める一方、ヒンドゥー教徒やイスラム教徒、キリスト教徒も少なくありません。信仰する宗教によって、食事や生活習慣が異なります。



例えば、イスラム教徒には豚肉やアルコールを控える人が多く、ヒンドゥー教徒には牛肉を避ける人がいます。礼拝や断食、宗教行事、服装、異性との接し方などにも、宗教ごとの考え方があります。
ただし、習慣には個人差もあるため、決めつけず本人に確認するのが望ましいです。「無理せず食べられるものを選んでね」と一声かけて、本人の意思を尊重する姿勢を示しましょう。
時間感覚や文化の違いを一方的に批判しない
スリランカ人と日本人では、時間感覚や仕事の進め方が違う場合があります。
スリランカでは、約束の時間に多少遅れて到着しても許容される文化がある一方、日本では時間厳守が当然のルールとして扱われます。価値観の違いから、双方に戸惑いが生じるケースも少なくありません。
このような違いを目にしたとき、一方的に批判してしまうと信頼関係を損ねる恐れがあります。「日本ではこういうルールが基本だよ」と背景を伝えながら、徐々に理解してもらう姿勢が大切です。
文化の違いを尊重しつつ、必要なルールを丁寧に伝えていけば、スリランカ人も少しずつ職場に馴染んでくれます。
スリランカ人を雇用する企業側のメリット


スリランカ人を採用することは、企業側にも多くのメリットをもたらします。
採用担当者が押さえておきたい主なメリットは以下の3つです。
- ホスピタリティが求められる業務と相性が良い
- 長期的な人材確保を目指しやすい
- 穏やかな性格で職場に馴染みやすい
順番に解説します。
ホスピタリティが求められる業務と相性が良い
スリランカ人は、サービス精神が旺盛で相手を思いやる気持ちが強い人が多いです。
そのため、ホスピタリティが求められる業務と相性が良いです。例えば、介護職ではスリランカ人の思いやりや相手に寄り添う姿勢が発揮されやすく、利用者との信頼関係構築にもつながります。
また、飲食業や宿泊業など、お客様への丁寧な対応が求められる業種でも活躍しやすいです。明るく親しみやすい接客は、顧客満足度の向上が期待できます。
長期的な人材確保を目指しやすい
スリランカ人は、同じ職場で長く働き続けたいと考える人が多いです。
出世やキャリアアップを目指して短期間で転職するよりも、馴染んだ職場で安定して働き続けたいと考える傾向があります。
日本で長期就労を望むスリランカ人も多く、職場の人間関係や待遇に満足できれば、長期雇用にもつながりやすい人材です。
人手不足の解消と安定的な人材確保を同時に実現できる点は、スリランカ人を採用するメリットといえます。
穏やかな性格で職場に馴染みやすい
スリランカ人は、穏やかで主張をあまり強くしない国民性です。
協調性を大切にし、職場の和を乱さないよう振る舞う姿勢が見られます。日本の職場文化と相性が良く、自然と馴染んでいける人材が多いといえます。



ただし、控えめな性格ゆえに困りごとを抱え込んでしまいがちです。
定期的に声をかけたり、面談の機会を設けたりして、安心して相談できる環境を整えましょう。
スリランカ人を雇用する流れ


スリランカ人を雇用する流れは大きく分けて2パターンあります。
- 海外からスリランカ人を受け入れる場合
- 日本に滞在しているスリランカ人を受け入れる場合
自社の状況に合った方法を選択しましょう。
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海外からスリランカ人を受け入れる場合
海外に在住しているスリランカ人を受け入れる場合の雇用方法から紹介します。
人材を募集する
まず、スリランカ人材の募集方法を検討します。
一部の国籍の方を除き自社での採用活動も可能ですが、言語の壁や手続きの複雑さから、外国人向けの人材紹介会社を活用するのが一般的です。
紹介会社を利用すれば、希望する国籍や在留資格に対応した人材を効率よく見つけられるうえ、選考前の書類確認や連絡調整なども代行してもらえます。
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面接を実施する
気になる人材がいたら、面接を行います。
スリランカに在住している方を面接する場合の方法は以下のとおりです。
- スリランカで現地面接
- ビデオ通話ツールを用いてオンライン面接
企業の状況や予算に応じて適切な方法を選択します。
面接では、質問でのやりとりから、人柄や日本語レベルを確認して自社とマッチする人材かどうかを見極めましょう。
在留資格認定証明書を申請する
面接に合格した方と、雇用契約を結びます。その後、受入機関の所在地を管轄する地方出入国在留管理局に在留資格認定証明書を申請します。
在留資格認定証明書が交付されたら、内定者に送付してください。


入国ビザ(査証)を取得する
在留資格認定証明書を受け取ったら、スリランカ人に入国ビザ(査証)を取得してもらいます。
在留資格認定証明書をスリランカの日本大使館または領事館に提出し、審査を通過すれば、入国ビザが発給されます。


入国・就労のフォローをする
外国人が入国したあとも、空港への送迎や公的手続きなどのサポートも考える必要があります。
慣れない環境にスリランカ人は不安でいっぱいです。就労後の支援も含めてスリランカ人が働きやすい体制や環境を整えていきましょう。
なお、技能実習生や特定技能外国人を受け入れる際は、空港の送迎や就労支援が必須事項です。
特定技能1号外国人を受け入れる場合は、登録支援機関に委託すれば、義務的支援10項目をサポートしてもらえます。
以下の記事では、登録支援機関に委託すればできることを紹介しているので、参考にしてみてください。


日本に滞在しているスリランカ人を受け入れる場合
次に、日本に滞在しているスリランカ人を受け入れる場合の雇用方法を紹介します。
人材を募集する
まずは、人材を募集します。
人材募集の主な方法は、以下のとおりです。
- SNSで求人情報を発信
- 会社の公式サイトに募集情報を掲載
- 留学生のいる学校に求人を提出
- 外国人向け人材紹介会社を活用
複数の方法を組み合わせて募集をかけると、より多くの候補者にアプローチできます。
採用活動をスムーズに進めたい方は、外国人向け人材紹介会社の利用がおすすめです。人材募集に加え、外国人応募者との諸連絡や面接日の調整などを代行してもらえます。
面接を実施する
続いて、面接を実施します。
質問をとおして、人柄や日本語能力のレベル、仕事への意欲などを確認します。
面接時は、在留カードの提示を応募者に求めてください。
就労が認められている在留資格かを確認したのち、在留期間が過ぎていないかチェックしましょう。
適切でない在留資格の外国人を雇用してしまった場合、企業側は法的責任を問われる可能性があります。
以下の記事では、在留期間が過ぎた状態のまま国に滞在し続ける行為(オーバーステイ)について詳しく解説します。オーバーステイの外国人を受け入れる企業側のリスクも紹介しているので、参考にしてみてください。


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雇用契約を結ぶ
採用が決まったら、スリランカ人と雇用契約を結びます。
雇用契約書は、本人が理解できる言語で作成しましょう。契約内容をよく理解しないまま契約を進めると、のちほどトラブルに発展する可能性があります。
技能実習生や特定技能1号外国人を雇用する場合は、外国人が理解できる言語で雇用契約書を作成し、内容を丁寧に説明することが義務付けられています。
在留資格を申請する
雇用契約を結んだら、在留資格を申請します。
在留資格の申請手続きを進めるのは原則スリランカ人本人です。しかし、行政手続きの専門家である申請取次行政書士に委託すれば、代理で申請してもらえます。
豊富な知識と経験を持っているため、本人が申請するより許可率が高いです。
どの行政書士に委託すれば良いのか迷ったら「FES行政書士法人」の利用がおすすめです。海外人材の支援に特化しているため、豊富な経験と実績に基づいた確実なサポートを受けられます。
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就労支援を行う
在留資格申請の許可が下りたら、就労開始です。
入社後も支援を行い、スリランカ人が働きやすい環境を整えましょう。
特定技能1号外国人の場合、勤務開始後も、定期面談や日本語学習のサポートなどを実施しなくてはなりません。
自社での対応が難しい場合は、特定技能1号の支援を専門とする登録支援機関に委託することもできます。
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スリランカ人は出稼ぎや生活の安定を目的に、日本に来て働いています。そのため、生活水準の向上を目指して、真面目に働くスリランカ人も多いです。
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監修者プロフィール


- 一般社団法人 日本料飲外国人雇用協会 理事 兼 事務局長
- 外食業に特化した求人媒体を運営する人材支援事業会社にて、約20年間に渡り首都圏版メディアの立ち上げや事業責任者として従事。専門学校・短大にて就職セミナー講師としても20校以上の活動経験あり。2019年に特定技能制度の施行開始にあたり、登録支援機関の立ち上げとして「日本料飲外国人雇用協会」に参画。現在は理事 兼 事務局長として活動を所掌している。
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