インドネシアと日本の文化の違いは?タブー行為や関わり方のポイントも紹介

インドネシアと日本の文化の違いは?タブー行為や関わり方のポイントも紹介

「インドネシア人と日本の文化の違いは?」

「一緒に働くうえで気をつけるべきことはある?」

インドネシアと日本はアジア圏に位置しながらも、宗教・食文化・時間の感覚など、多くの点で異なる文化を持っています。

時間の感覚や家族の価値観は仕事の進め方・働き方に影響するため、一緒に働く場合は事前に理解を深めておく必要があります。

本記事では、インドネシアと日本の文化の違いや、職場で気をつけたいタブー行為を解説します。インドネシア人と良好な関係を築くためのポイントも紹介しているので、参考にしてみてください。

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目次

インドネシアと日本の文化の違い

汎用

さっそく、インドネシアと日本の文化の違いを見ていきましょう。

以下6つの視点から、それぞれ詳しく解説します。

  1. 宗教
  2. 食文化
  3. 家族観
  4. 挨拶
  5. 時間の感覚
  6. 働き方

違いを理解し尊重する姿勢を持つことで、インドネシア人と良好な関係構築につながります。

宗教

外務省が公開しているインドネシアの基本データによると、インドネシア人の87%がイスラム教を信仰しています。残りの割合を占めるのは、キリスト教10.4%(プロテスタント7.4%、カトリック3%)、ヒンズー教1.7%、仏教0.7%です。

猪口 裕介

イスラム教は日常生活と深く結びついた宗教であり、1日5回の礼拝や、ラマダン(断食月)には日の出から日没まで飲食を断つ習慣があります。

日本では、神道や仏教、キリスト教など複数の宗教文化が混在しています。割合として多いのは神道(自然や祖先を大切にする宗教)と仏教(教えや供養を重んじる宗教です。

信仰が生活の中心にあるインドネシアとは異なり、行事や季節の節目に神社や寺院を訪れる人が多いです。

参考:文化庁編|宗教年鑑令和6年度版

食文化

インドネシアの主食は日本と同じくお米です。農林水産省の調査によると、世界のコメ生産量でインドネシアは第3位です。

代表的な米料理には「ナシゴレン」や「ナシチャンプル」があります。

イスラム教徒が多いインドネシアでは、ハラル(ハラール)料理が一般的です。ハラルとはイスラムの教えにおいて「許されたもの」を意味し、豚肉やアルコールを避け、宗教的な手順で調理された食材を用います。

日本では、和食の文化が根付いています。出汁や味噌、醤油を使った繊細な味付けが和食の特徴です。

家族観

インドネシア人は家族愛が強く、家族との時間を大切に過ごします。親子三世代、あるいは親戚まで一緒に暮らす家庭も少なくありません。

家庭内では両親や祖父母など年上の人を敬い、家族全体で支え合う文化があります。地域のコミュニティも大切にし、地域の行事や宗教的なイベントにも積極的に参加する家庭が多いです。

日本では核家族(親と子どものみの暮らし)が増えてきています。家族を大切にする姿勢はインドネシア人と変わりませんが、組織への帰属意識が強いため仕事を優先する方も多いです。

挨拶

インドネシアでは握手をして挨拶するのが一般的です。少し長めに握手を続け、5〜10秒ほどが目安です。

ただし、イスラム教の教えにより、男性から女性への握手は控えるべきとされています。女性から手を差し出してきた場合は応じても構いませんが、軽く手に触れる程度にとどめるのが無難です。

日本の挨拶は言葉を交わしてお辞儀するのが基本です。ビジネスシーンでは形式的な挨拶として握手をすることもあります。

時間の感覚

インドネシアには「ゴム時間(Jam Karet)」と呼ばれるインドネシア特有の時間感覚があります。

ゴム時間とは、時間に対して柔軟な考え方を持ち、多少の遅れを気にしない時間の捉え方です。そのため、約束の時間に遅れたり、予定が流動的に変わったりする光景は日常的で、周囲も寛容に受け止めます。

一方で日本は「5分前行動」や「約束の時間より早く到着する」といった時間厳守の文化があります。

時間を守らないことは「非常識」と見なされやすく、人間関係にも影響しやすいです。

働き方

家族愛が強いインドネシア人は、仕事よりも家族を優先する傾向があります。日本のようにサービス残業はなく、やるべき業務が終われば定時で帰宅します。

また、仕事とプライベートの境界があいまいで、勤務中に雑談や私用の電話をするケースも珍しくありません。帰属意識の薄さから転職文化も根付いており、条件が合わなければすぐに転職する方も多いです。

一方、日本人は真面目で協調性を重んじるため、会社のために働く意識が強いです。残業や休日出勤にも対応し、勤務中の私語も控える人が多く見られます。

以下の記事では他国の性格や働き方の特徴についても紹介しています。外国人材を受け入れる際の参考にしてみてください。

インドネシアの文化でタブーとされている行為

汎用

ここでは、インドネシアの文化においてタブーとされている行為を3つ紹介します。

  1. 左手を使う接触
  2. 頭を触る
  3. 人前で叱る

タブー行為を知らずに行うと、信頼関係が損なわれる可能性があります。良好な関係を築くためにも事前に理解しておきましょう。

左手を使う接触

インドネシアでは左手は不浄とされており、左手で物を渡したり受け取ったりするのは失礼です。仕事の場面でも、右手を使うよう意識してください。

以下は避けるべき行動例です。

避けるべき行為
  • 左手で物を渡す
  • 左手で受け取る
  • 左手で指を指す
  • 左手で相手の体に触れる

どうしても左手を使わざるを得ない場合は「左手ですみません」と一言添えましょう。一言あるだけで、相手に配慮の姿勢を示せます。

頭を触る

頭は神聖な部位とされているため、頭に触れる行為は控えてください。

もし頭にゴミが付いている場合は、直接取らずに「ゴミが付いていますよ」と声をかけて伝えます。

人前で叱る

インドネシア人に限らずですが、人前で叱るのは避けてください。

周囲に人がいる中での指導は、相手に恥をかかせてしまいます。プライドを傷つけられたと感じると、信頼関係が損なわれるほか、モチベーションが低下して早期離職につながりかねません。

猪口 裕介

指導する際は、個別に話す機会を設け、落ち着いた環境の中で丁寧に話をしましょう。

改善点を伝える際も、頭ごなしに否定するのではなく「なぜその行動が問題なのか」「今後どうすれば良いか」を具体的に示すと相手の理解も深まりやすいです。

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職場のインドネシア人と良好な関係を築くときのポイント

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文化や価値観が違う外国人労働者と信頼関係を築くためには、配慮や工夫が必要です。

インドネシア人スタッフと良い関係を作る主な方法は以下の4つです。

  1. 文化や価値観を受け止める
  2. 宗教や文化に配慮した環境を用意する
  3. 積極的に話しかける
  4. 仲介業者の力を借りる

これらの実践により、外国人労働者が安心して働ける職場が作れます。できることから試してみてください。

文化や価値観を受け止める

外国人材を受け入れる場合、文化や価値観を受け止める姿勢が欠かせません。

こちらから歩み寄る姿勢を示さないと、相手の信頼を得るのは難しいです。

以下は、外国人と一緒に仕事をしていて、日本人が戸惑いやすい場面です。

日本人が戸惑いやすい場面
  • 時間感覚に柔軟性があり約束の時間に遅れる
  • チームより個人の成果を重視する傾向がある
  • 報連相の文化がなく自分で判断して行動する
  • 残業をしてほしいが家族の時間を優先し定時で帰る
  • 自己主張が強く上司に対しても率直に意見を述べる

このような場面に直面した際「日本では◯◯だから」と一方的に自分たちの価値観を押し付けるのは避けるべきです。まずは相手の文化や価値観を受け止め、そのうえで互いに歩み寄る方法を一緒に考えましょう。

時間はかかりますが、相互理解を深めながら丁寧にコミュニケーションを重ねることで、少しずつ日本のビジネスマナーが身についていきます。

宗教や文化に配慮した環境を用意する

インドネシア人の宗教や文化に配慮した環境を用意すると、安心して働いてもらえます。

以下は職場でできる配慮の例です。

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配慮の例
宗教・礼拝の部屋を用意する・礼拝の時間を設ける
・ラマダン(断食月)期間中の配慮をする
・社員食堂にハラル(ハラール)料理を用意する
食文化・社員食堂にインドネシアの料理を取り入れる
・スプーンとフォークを用意する

すべてを一度に実現するのは現実的ではないため、できることから少しずつ取り組みましょう。インドネシア人スタッフが働きやすい職場づくりを少しずつ整備してみてください。

積極的に話しかける

話す機会が多ければ多いほど打ち解けやすくなります。

猪口 裕介

慣れない国や職場で不安を感じているインドネシア人も少なくありません。困っている人や孤立している人を見かけたら積極的に声をかけてみましょう。

また、うまく日本語が話せない外国人労働者は、日本人への声かけを躊躇しがちです。日本人社員がインドネシア人の日本語レベルにあわせたコミュニケーションを意識していくと、お互いに話しやすくなります。

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仲介業者の力を借りる

仲介業者の力を借りることで、関係性が良くなる場合もあります。ここでいう仲介業者とは外国人受け入れにおける採用活動や就労支援を行う専門機関のことです。

代表的な専門機関を以下の表にまとめました。

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専門機関役割・特徴
外国人向け人材紹介会社企業からの依頼に応じて外国人材の紹介から採用までをサポートする専門会社。

外国人の採用活動にも寄り添うため、外国人のわからないこと・不安なことを解消しながら安心して契約できる状況に運んでもらえる。
登録支援機関企業からの委託を受けて特定技能1号外国人の支援を代行する専門機関。

母国語を話せるスタッフや母国の文化を熟知したスタッフが在籍しているため、外国人労働者の不安や悩みに寄り添い、安心して働けるようにサポートしてくれる。
監理団体企業からの委託を受けて技能実習生の監理・支援を行う専門機関。

定期的な訪問や面談を通じて実習生と企業の間に立ち、コミュニケーションの橋渡しをしてもらえる。

さらに、インドネシア人の支援に強い専門機関を選ぶとよりサポートが手厚くなります。

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インドネシアと日本の文化に関するよくある質問

Q&A

最後にインドネシアと日本の文化に関するよくある質問と回答をまとめます。

インドネシアと日本の文化の共通点はありますか?

インドネシア人と日本人は、米を主食とする食文化が似ています。また、目上の方を敬う習慣も共通しているため、仕事における上下関係の概念を理解しやすい傾向にあります。

インドネシア人から見た日本人の特徴は?

インドネシア人から見て日本人は「礼儀正しい」「約束に忠実」「仕事に熱心」といった印象があります。

一方で「あいまいな表現を用いて話す」「本音と建前がある」といった日本特有のコミュニケーションスタイルに戸惑うこともあるようです。お互いの文化の違いを理解し合うことで、より良い関係を築けます。

インドネシアと日本の文化の違いを知って相手を尊重しながら働こう

汎用

インドネシア人は家族を大切にし、宗教を重んじる文化があります。

時間の感覚や働き方に違いはあるものの、目上の方を敬う習慣や米を主食とする食文化など日本人と共通する部分があることもわかりました。

インドネシア人と一緒に働く際は、企業側が文化や価値観の違いを理解し尊重する姿勢が欠かせません。

本記事で紹介した文化の違いやタブー行為、関わり方のポイントを参考に、インドネシア人の受け入れを検討してみてください。

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監修者プロフィール

猪口裕介
猪口裕介一般社団法人 日本料飲外国人雇用協会  理事 兼 事務局長
外食業に特化した求人媒体を運営する人材支援事業会社にて、約20年間に渡り首都圏版メディアの立ち上げや事業責任者として従事。専門学校・短大にて就職セミナー講師としても20校以上の活動経験あり。2019年に特定技能制度の施行開始にあたり、登録支援機関の立ち上げとして「日本料飲外国人雇用協会」に参画。現在は理事 兼 事務局長として活動を所掌している。
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