【2027年施行】育成就労制度とは?技能実習制度との違いや注意点

【2027年施行】育成就労制度とは?技能実習制度との違いや注意点

「育成就労制度はどんな制度?」
「現行の技能実習生制度からの変更点はある?」

このような疑問をお持ちではないでしょうか?

育成就労制度とは、外国人の人材確保と人材教育を目的とした制度です。現行の技能実習生制度が廃止され、新たに施行されます。外国人労働者の人材確保に役立つ制度なので、外国人雇用を検討している方は理解を深めておきましょう。

本記事では、育成就労制度について詳しく解説します。技能実習生制度との違いや注意点も紹介しているので、参考にしてみてください。

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  • 対象分野を含む特定技能制度の全体像がわかる
  • 比較表で1号と2号の違いを把握できる
  • 工程表で採用までの流れを見通せる
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目次

【基礎知識】育成就労制度とは

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育成就労制度とは、外国人労働者の人材確保と人材育成を目的とした制度です。現行の技能実習制度が廃止され、新たに施行されます。

この制度は、外国人が日本企業で3年の教育期間を経て、専門的な技能を有する「特定技能」の労働者として活躍できるスキルや知識を習得させる仕組みです。以下2つの視点から、育成就労制度についてさらに深掘りしていきましょう。

育成就労制度を深掘る視点
  • 育成就労制度はいつから施行される?
  • 技能実習生制度が見直された背景

順番に解説します。

育成就労制度と技能実習制度の変更点が気になる方は育成就労制度と技能実習生制度の違い【大きな変更点は5つ】をご覧ください。

育成就労制度はいつから施行される?

育成就労制度は、2024年6月14日の参議院本会議で可決・成立しました。2025年3月11日に基本の運用方針、2026年1月23日に分野ごとの運用方針(分野別運用方針)が閣議決定され、2027年4月1日に施行されます。2026年9月1日からは、施行日前の育成就労計画の認定申請も受け付けられています。

猪口 裕介

3年ほどの準備期間が設けられているため、現行の技能実習制度からの移行をスムーズに進められます。

技能実習生制度が廃止される理由

技能実習生制度では、以下のような課題がありました。

技能実習生制度の課題
  • 監理団体による不適正な受け入れが発生
  • 転籍が制限され労働者としての権利保護が不十分
  • 実習終了後は帰国する仕組みによりキャリアパスが不明確

こうした問題により、外国人の失踪や日本の雇用環境のイメージダウンにつながっています。新しく育成就労制度を設立し、課題改善と支援の充実を図ることで、外国人労働者が働きやすい環境を整えることを目指しています。

育成就労制度と技能実習生制度の違い【大きな変更点は5つ】

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育成就労制度と技能実習生制度の違いを以下の表にまとめました。変更点は、大きく分けて5つです。

項目育成就労制度技能実習生制度
制度の目的人材育成・人材確保国際貢献
受け入れできる職種特定技能の対象分野のうち17分野96職種174作業(技能実習2号への移行対象)
転籍の権利制限の緩和制限が厳しい
就労開始時点の日本語能力日本語能力試験N5レベル要件なし
管理・支援体制監理支援機関(許可基準を厳格化)監理団体

順番に見ていきましょう。

1.制度の目的

技能実習生制度の目的は「国際貢献」です。日本の技術を外国人に習得させ、国際社会の経済や課題解決に役立てる狙いがあります。

猪口 裕介

制度の性質上、就労前の育成期間が終了したら、外国人は帰国するのが前提です。

育成就労制度では、目的が「人材確保」と「人材育成」になります。日本は産業全般で労働者が人手不足です。日本の労働市場のニーズに合わせて目的が変更されました。

2.受け入れできる職種

制度を利用しての就労には、受け入れできる職種に制限があります。

技能実習制度では、技能実習2号への移行対象として96職種174作業(2026年7月29日時点)が定められ、幅広い分野で受け入れが行われています。一方で、育成就労制度の受け入れ対象は、以下の17分野に限定されます。特定技能の対象分野と原則一致させたうえで、国内での育成になじまない分野を除いたものです。これらの分野に該当しない職種には、外国人は就労できません。

介護、ビルクリーニング、リネンサプライ、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、宿泊、鉄道、物流倉庫、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業、資源循環
参考:出入国在留管理庁 育成就労制度の概要(令和8年7月改訂)

なお、技能実習2号の移行対象職種のうち、クリーニング(一般家庭用)、空港グランドハンドリング、ボイラーメンテナンスの3職種は、育成就労の対象外とされています。

猪口 裕介

ただし、今後の政策変更や労働市場の需要に応じて、職種が追加される可能性もあります。

3.転籍の権利

現行の技能実習制度では、契約中の企業に不満があったとしても、原則として別の企業に転籍できません。

猪口 裕介

このような「逃げられない環境」が、外国人失踪の一因となっています。

育成就労制度では、「暴行や各種ハラスメント」「法令・契約違反行為」といった、やむを得ない場合の転籍が認められやすくなるように制度が見直される予定です。

また、以下の条件を満たせば、本人の意向による転籍が可能になります。

  • 同じ業務の区分内である
  • 技能検定試験の基礎級に合格する
  • 同一機関での就労が1〜2年を超えている
  • 日本語能力に係る試験(A1~A2相当)に合格する
  • 転籍先が、育成就労を適正に実施する基準を満たしている

外国人の権利が保護され、働きやすい環境が少しずつ整備されています。

4.日本語能力の要件

育成就労制度では、外国人に対して日本語能力の要件が追加されます。就労前までに、以下のいずれかの要件を満たすことが求められます。

  • 日本語能力A1相当以上の試験(日本語能力試験N5等)に合格
  • 認定日本語教育機関等において上記に相当する日本語講習を受講

要件を満たすために、受け入れ企業は外国人への日本語学習サポートを視野に入れる必要があります。

5.管理・支援体制

制度の変更に伴い、管理・支援体制も変わります。

現行の技能実習制度では「監理団体」が外国人の受け入れの支援をおこなっています。しかし、機関の要件が明確に定まっていなかったため、不適切な受け入れや支援の事例が発生していました。

育成就労制度では、監理団体に代わる「監理支援機関」が確立されます。監理支援機関は、独立性・中立性を確保するため、許可の要件が厳しくなります。

猪口 裕介

これにより、正当な受け入れ体制の構築が期待されます。

外国人技能実習機構に代わる「外国人育成就労機構」も、施行日の2027年4月1日に設立されます。育成就労外国人の転籍支援や、1号特定技能外国人への相談援助業務が加わり、外国人労働者の支援・保護の機能が強化される予定です。

なお、支援業務の委託先は登録支援機関に限定されます。

▼登録支援機関に関する記事リスト

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育成就労制度における事業主側の3つの注意点

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育成就労制度における事業主側の注意点は、以下のとおりです。

事業主側の注意点
  • 採用コストがかかる
  • 条件や労働環境が悪いとすぐに辞められてしまう
  • 日本語学習のサポートが求められる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.採用コストがかかる

採用コストの検討は、育成就労制度に取り組むうえで避けて通れません。

以下は、育成就労制度で外国人を雇用する際に発生する費用例です。

外国人の雇用時に発生する費用例
  • 渡航費
  • 交通費
  • 日本語学習費
  • 受け入れ体制の整備
  • 送り出し機関への手数料

負担額は外国人材の出身地や支援内容により異なりますが、初期費用だけで1人あたり約50万円以上となる場合があります。

制度を活用して外国人を受け入れるなら、採用コストを含む適切な予算を確保しておく必要があります。

2.条件や労働環境が悪いとすぐに辞められてしまう

育成就労制度では転籍が可能になるため、条件や労働環境が悪いと外国人が早期離職するリスクが高まります。転籍を防ぐためには、外国人にとって魅力的な労働環境を整えましょう。

例
  • 外国人が過ごしやすい雰囲気を作る
  • 外国人向けの福利厚生を充実させる
  • 給料水準をほかの従業員と同等にする

外国人の視点に立った環境を整えれば、定着率が向上します。

なお、外国人労働者の定着率を高めるには、教育・研修の質がとても重要です。

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3.日本語学習のサポートが求められる

育成就労制度では、就労前までに、A1相当以上の日本語能力の習得が求められています。そのため、企業側でも外国人の日本語学習をサポートする必要があります。

サポート例
  • 専属の教育者を配属
  • 社内で日本語講座を開催
  • オンライン学習ツールの提供

日常のコミュニケーションを大切にするのも、日本語力向上につながります。

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育成就労制度のメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

▶ 育成就労制度のメリット・デメリットは?問題点と対応策を含めわかりやすく解説

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育成就労制度に関するよくある質問

Q&A

育成就労制度に関するよくある質問をまとめました。

育成就労制度にデメリットはありますか?

育成就労制度には、以下のようなデメリットがあります。

育成就労制度のデメリット
  • 採用コストがかかる
  • 受け入れ可能な職種が減る
  • 好条件の企業に人材が流れる

育成就労制度は、外国人労働者の人材確保に効果的な制度です。メリット・デメリットを知ったうえで、制度の利用を検討しましょう。

育成就労制度は、特定技能制度と何が違いますか?

育成就労制度は育成を重視していますが、特定技能制度は専門性や技能をもつ「即戦力となる人材」かどうかを重視している点が違います。

また育成就労制度の在留期間は原則3年、特定技能1号は5年を上限とする在留が可能です。

育成就労制度を理解して自社が求める外国人を雇用しよう

汎用

技能実習制度の認識のままで、育成就労制度を利用すると企業側がリスクを負う可能性があります。リスクを回避するためにも、本記事で紹介した変更点や注意点をよく理解しておきましょう。

知っておくべき注意点
  • 採用コストがかかる
  • 条件の良い企業に人材が流れる
  • 日本語学習のサポートが求められる

「内容は理解できたけど、自社で適切に対応できるか不安…」という方は弊社「日本料飲外国人雇用協会」にご相談ください。

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監修者プロフィール

石原 純
石原 純一般社団法人 日本料飲外国人雇用協会 支援本部 本部長
国内最大手の監理団体にて技能実習制度の前身となる「研修制度」時代より、海外人材の教育や指導、支援スキームの構築に携わり、現場の統括責任者や代表職などを歴任。海外人材事業18年のキャリアで技能実習生の入国時教育など、延べ10,000名以上のグローバル人材への指導実績をもつ。現在は当協会の支援本部長として、企業・外国人材向け教育研修プログラムの設計と講師を務める。
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